藤本純輝

 

 

藤本純輝は、キャンバスを裂き、重ね、再構築するという独自の技法を用いて、自然のもつ儚さや力強さを表現しています。花や植物といった自然のモチーフを出発点にしながらも、彼の作品は従来の静物画の枠を超え、光や風、季節の移ろいといった感覚的な要素を繊細に捉えています。その表現には、西洋的なマテリアル感覚と、日本的な静けさや詩情が共存しており、見る者に生命の気配や時間の流れを静かに語りかけます。触覚的で没入感のある視覚体験を通して、鑑賞者との新たなつながりを生み出す作品世界を築いています。

 

藤本純輝は1997年三重県生まれ。2021年に京都芸術大学大学院修士課程美術工芸領域油画分野を修了し、現在は京都を拠点に活動しています。

 

2021年に「シェル美術賞2021」角奈緒子審査員賞、「NONIO ART WAVE AWARD 2021」木村絵里子賞、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021 Akatsuki ART AWARD」優秀賞を受賞するなど、2025年には、メキシコの現地財団であるCoppel Foundationのパブリックコレクションに作品が収蔵されました。