☆(Book Mark): 長沢楓

2026年1月31日 - 3月7日

 

COHJUは、長沢楓による個展「⭐︎(BOOK MARK)」を開催いたします。本展は、長沢にとって初の個展であり、COHJUでは二年前に開催された二人展に続く、二度目の企画展となります。

 

長沢楓は、2025年京都芸術大学修士課程を終了。在学中より、李氏朝鮮時代の陶器や中世から近世にかけての民画、民藝といった、東アジアにおける無名の造形や図像を参照し、トレースや転写といった手法を用いて制作を行ってきました。特定の作者性や完成度を強調するのではなく、反復の中で受け継がれてきたかたちや、実用と装飾、美術と生活の境界に位置するイメージに着目するその実践は、長沢の制作の基盤であり高い注目を集めています。

 

これまでの作品において長沢は、過去の図像を単に再現するのではなく、時間の中で変質し、意味をずらされながら残ってきたイメージそのものに向き合ってきました。そこでは、オリジナルと複製、作者性と無名性といった近代的な価値体系が相対化され、図像がどのように継承され、忘却されていくのかが静かに問われています。

 

本展「⭐︎(BOOK MARK)」では、そうした制作の延長線上で、地図や記事に付されたブックマーク、過去に存在していた場所やイメージ、すでに役割を終えた図像など、「かつて意味を持っていたが、現在では宙づりになった痕跡」へと関心が向けられています。ブックマークは本来、未来の参照を前提とした印ですが、時間の経過とともに、その参照先自体が失われることがあります。本展のタイトル「⭐︎(BOOK MARK)」は、そうした行き場を失った印や記号がなお残り続ける状態を示しているのではないでしょうか。

 

本展の出品作品は、過去のイメージの流用やトレースといったプロセスが用いらる一方、今までの手法とは別に新たな技法やアプローチを取り入れた新作の発表も予定しています。それらは新たな図像を生み出すための手段というよりも、すでに存在していたイメージや記号を呼び戻し、ずらし、再配置する行為として機能しています。そこでは、意味と形、記憶と記録の関係が揺さぶられ、図像は固定された意味を離れて美しく漂流し始めます。

 

「⭐︎(BOOK MARK)」は、消え去ったものの残骸や、意味を失ったように見える痕跡を起点に、時間の中でイメージがどのように保存され、変化し、再び参照されうるのかを問いかける展覧会です。この機会にぜひご高覧ください。

 

ARTIST STATEMENT 


 

習慣として地図や記事にブックマークをつけるのだが、何年か前に印をつけていた店が閉業していたことがあった。その場所にその店はもうないのに印だけが今もある。時間が移り変わっていく中で、沢山のものが消えてまた新しく作られる。取り残された片には、意味や形はもう無いが、考える手がかりをくれる。 

 

INFORMATION


 

長沢楓 個展「☆(Book Mark)」

会期:2026年1月31日 (土) - 3月7日 (土)

レセプション:1月31日 (土) PM5:00-7:00
開廊:火曜 - 土曜 PM1:00-6:00

閉廊:日・月・祝日
会場:COHJU
住所:604-0981 京都市中京区毘沙門町557江寿ビル1F
TEL:075 256 4707
Email: contact@cohju.co.jp