大和美緒は、油絵具を使用して一つ一つ手作業で描いたドットや、ペンで一本一本引いた線から構成されるRepetitionシリーズの制作を続けてきました。具体的な完成イメージを持たずに、単純な動作の繰り返しの果てにたち現れる画面は、時間の経過をキャンバスの中に捉え、不思議とどこか有機的で親近感のあるイメージを生み出します。大和はこの気の遠くなるようなプロセスを通して、木が自然の摂理に従って徐々に年輪を築いていくように、崇高な自然の摂理やシステムを可視化することを試みています。

大和美緒は1990年滋賀県生まれ。2015年に京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院美術工芸領域を修了し、現在は京都を拠点に活動をしています。

丸の内アートアワード(2013)やCAF賞(2015)など、国内の数々のアワードで入賞し、2020年にはメキシコシティで開催されたアートフェア、ZONAMACOにて現地の文化財団であるFundación Casa Wabiより、最優秀女性作家に送られるレジデンシーアワードが授与されました。同財団の運営するオアハカのレジデンス・プログラムに招待を受け、現地住民との参加型プロジェクトの滞在制作が予定されています。東京をはじめ、香港、ロンドンのギャラリーでも作品が取り扱われ、2019年には東京オペラシティアートギャラリー、2020年には京都市立京セラ美術館でも作品が展示されました。