白矢幸司は主にセラミック技術と素材そのものに着目しプロジェクトを展開しています。「Trinary」シリーズでは、地表を構成する主要成分であるシリカ(SiO)、アルミナ(AlO)、カルシウム(CaO)という3つの物質を用います。同じ形状・環境で焼成するものの、各成分の配合の比率が少し変わるだけで、個体から液体(ガラス質)までそれぞれに全く違う姿を見せる各個体に、白矢は自然や社会の縮図を重ね合わせます。

白矢幸司は1980年兵庫県に生まれ、現在も兵庫県を拠点に活動を続けています。2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート・ロンドン ( 陶芸・ガラス ) の修士課程を修了し、2017年にはスカンジナビア・ニッポンササカワ財団より、日本人の注目若手アーティスト 5 名に選出され、日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念として奨学金を授与しました。ヨーロッパやアジアを中心とした国内外の多数のギャラリーで作品が展示されています。