髙木智子は、絵画におけるモチーフとイメージの関係性の揺らぎに着目し、制作活動を続けています。高木は、日常生活や旅先で出会った「ヘンテコなもの」を写真で撮り貯め、後にアルキド樹脂と油絵具により生まれる透明で鮮やかな色彩でキャンバスに描き起こして行きます。

速乾性のあるメディウムがゆえに、それぞれのモチーフの輪郭を正確になぞることができないものの、むしろそのアウトラインは引き継ぐことで、イメージの再解釈をすると高木はいいます。他人の趣味嗜好との距離感を、手を動かすことにより自分にとって親密なものに変えていく彼女の手法から生まれるペインティングには、ぎこちなさと愛くるしさの間で揺れ動く独特な緊張感に包まれています。

髙木智子は1989年、千葉県に生まれ、2015年に京都市立芸術大学大学院修士課程を修了。現在は滋賀県を拠点に活動をしています。日本国内はもちろん、台湾でも個展やグループ展にも参加しています。