悲しき星座: 天牛美矢子 個展

30 March - 4 May 2019

COHJU contemporary artでは3月30日(土)から5月4日(土)まで、天牛美矢子の個展「悲しき星座」を開催いたします。

天牛美矢子は、京都市立芸術大学にて染織を学び、皮や布といったメディアを用いて、シルクスクリーンや、刺繍、ニッティングなどの多様な技法により、星座や神話といったモチーフから豊かな物語性を内包した作品を制作しています。実家である古書店で勤務しながら作品制作を続ける傍ら、近年ではZINEの編集・発行にも取り組み、2018年に開催されたグループ展「呪と祝」(KUNST ARZT、京都)ではキュレーターを務めるなど、多方面にその活躍の幅を広げています。

 

幻想的な作品の様相とは対照的に、天牛は自身の作品の着想を身近な事象・事物から拾い上げています。例えばそれは実家の古書店で見つけた本に挟まった手紙や書き込みであり、そこに微かに息づく記憶のエネルギーであるといいます。日々を過ごす中で生まれた疑問や、消化しきれなかった不安や悲しみに、そうした対象物を契機に仮説を立てるように物語を作っては、その漠然とした感情から自らを解き放つように作品を生み出しています。天牛の作品は周囲に散らばる「非日常の息づき」を収集し観察した、内面的フィールドワークの集積と言えます。身体に最も密接な素材である布や革を支持体として用いることは、天牛にとって「日常を顧みるという行為のメタファー」として働き、鑑賞者に見過ごしがちな不可視の「何か」、物質を取り巻く記憶や歴史的背景などを追体験させる回路として働いています。

 

弊廊では初の個展となる本展では、星座を取り巻く悲劇的な神話や伝説をテーマに制作した新作を中心に発表いたします。星座に関する神話や伝説は悲劇的で理不尽なものが多く、その哀れな主人公たちは星座となって夜空を飾ることでまるで報われたかのように語り継がれてい ます。星座として祀ることで報われない者たちに救いを与えるという行為は、日常の悲しみを作品へと昇華していく天牛の制作のプロセスにも通じるものがあります。 天牛の作品が織りなす幻想的な世界観を空間全体から体感していただける個展となっておりますので、是非この機会にご高覧いただければ幸いです。

 

EVENT
オープニングパーティ:2019年3月30日(土)PM5:00-7:00